読書

『謎の独立国家ソマリランド』高野秀行

投稿日:2013/06/23 更新日:

ソマリアと聞くと、海賊国家、無政府国家というイメージが強い。
しかし、現地に一歩足を踏み入れてみると、それはソマリアの一部でしかないことに気付く。
ソマリアの一部のイメージが、ソマリア全土のイメージを支配してしまっているのだ。

ソマリアは次の3つの地域(国家のほうがイメージが近いので、以後国家と書く)から成る。

ソマリランド
プントランド
(南部)ソマリア
地図参照
である。

先程書いたソマリアのイメージは、プントランド、(南部)ソマリアによるものだ。
プントランドはソマリア沖、アデン沖を航行するタンカー、一般船舶等を急襲する海賊たちが跋扈する悪しき海賊国家。
(南部)ソマリアはイスラム過激派「アル・ジャバーブ」が根城とする武装国家である。

ソマリアの国連事務所襲撃、29人死傷 シャバブが犯行声明(CNN.co.jp)
2013.06.20 Thu posted at 09:54 JST

ソマリア・モガディシオ(CNN) アフリカ東部ソマリアの首都モガディシオで19日、国連事務所が襲撃され、少なくとも14人が死亡、15人が負傷した。事件に関連してイスラム武装勢力シャバブが犯行声明を出している。

同国内務国家安全保障相によると、死亡したのは武装集団の7人と国連職員4人、民間人女性3人。負傷者は病院に搬送された。

警察によると、空港近くにある国連の建物の入り口付近で1人が自爆し、残る数人が爆弾を身に着けて建物内に侵入。ソマリア軍とアフリカ連合(AU)軍の部隊が建物を取り囲み、武装勢力と交戦した。

この戦闘に巻き込まれてバスや乗用車が破壊されたり、付近一帯の集合住宅の窓ガラスが粉々に割れたりする被害が広がった。

この事件に関連して、国際テロ組織アルカイダとの関係が指摘されるイスラム武装勢力「シャバブ」が短文投稿サイトのツイッターに犯行声明を掲載した。

アフリカ連合ソマリア・ミッション(AMISOM)によると、国連の建物はAUの部隊が奪還し、安全を確保したという。

同国のシルドン首相は国連事務所が襲撃されたことについて「無差別で卑劣な犯行」と非難、「シャバブに和平プロセスを妨げることはできない。われわれの復興は止められない。暴力が勝利することはない」と力を込めた。

(南部)ソマリアが現在進行形で非常に危険な国家であるということがお分かりいただけただろうか。

そんなソマリア国内でも戦争とは無縁の安穏な空気が流れている国家がある。
「ソマリランド」だ。
ソマリランドはアフリカでは珍しく、武力ではなく話し合いによって誕生した民主国家である。
本書の表現を借りるならば、ソマリランドは「天空の城ラピュタ」、プントランドは「リアル ONE PIECE」、(南部)ソマリアは「リアル 北斗の拳」といったところか。

本書を読めば、贅沢にもソマリアに旅行した気分を味わえるとともに、ソマリアの事情通になれること間違いなしだ。
本書を私の今年一番のおすすめ本としたい。

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38theta

福井県福井市出身で大阪府大阪市在住。1986年8月生まれのITインフラエンジニア。

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